【2022】無職の四国お遍路旅

27歳男、無職になりお遍路の旅へ出る~44か所区切り打ちの記録~

【2022四国遍路3日目】へんろ転がし!7時間の山中巡り

こんにちは。
今回は11番藤井寺の麓「旅館吉野」さんを出発、
歩き遍路の難所として名高い
「へんろ転がし」に挑みます!


歩き遍路の道中、へんろ転がしと呼ばれる難所は
いくつかあります。
その中でも今回通るへんろ転がしは

遍路ルート序盤に存在することもあり最も
悪名たかき場所(笑)

私は今回、前日に出会った68歳のおじいさまと
同宿に泊まっていた70歳オーバーのおじいさまと
一緒に
へんろ転がしに挑みました。
12番焼山寺到着まで山中を歩くこと7時間。
無事に今夜の宿まで辿り着くことができました。
それではどうぞ。

9月16日旅程
6:50 「旅館吉野」 発
徒歩
7:00 11番藤井寺 発
徒歩
7:30 スズメバチに刺される
徒歩
8:40 水大師
徒歩
9:00 長戸庵 小休憩
徒歩
10:45 柳水庵 小休憩
徒歩
12:00 左右内の一本スギ 小休憩
徒歩
14:30 12番焼山寺
15:00 焼山寺 発
徒歩
15:30 杖杉庵
徒歩
16:00 「農園ゲストハウス もりあんloft」


農園ゲストハウス もりあんloft」基本情報※当時
・1泊2食 6,000円
・個室完備(クーラー、WIFI、冷蔵庫、ハンガー)
・共用(トイレ、洗濯機、有料飲食物、シャワー、テレビ)


実際の様子

朝食を食べ、7:00前に「旅館吉野」さん出発!
そして藤井寺で待ち合わせしていたおじいさまと合流。
「一人ならタクシー使っていたけど若者に会えたから頑張る」
と言っていただき嬉しかったです。
藤井寺の参拝は前日に済ませているので
早速境内に口を開ける

「へんろ転がし」入口へと歩を進めます。

山道へ入るとすぐにミニ88か所巡りがあります。
時間があればゆっくり見て回りたいところですが、
今日はへんろ転がし踏破しなければ
宿に辿り着けないのでスルー。

少し歩くと視界が開けます。
眼前に見える平地を2日かけて歩いてきました。
感慨深い...


そしてここでスズメバチにうなじを刺されました(笑)
なんか羽音がうるさいなーと思ってはいたのですが...

ハチ刺され時の対処法も知らない、
調べようにもなぜか圏外、

周りに何もない山道、
応急グッズも持っていない、

水分もスポドリなので服の上からかけるわけにもいかない...

人生初ハチ刺されという事もあり慌てふためきましたが
今日は幸運なことに私以外にもう一人いるのです。

お連れ様の携帯は繋がっていたので対処法を調べてもらい
彼が持っていたお茶で傷口をゆすいでいただき
患部の様子も見てくれました。
焼山寺へ行くことを諦める選択肢もありましたが
30分待っても気分や患部に異常がなかったためそのまま出発。
患部はクソ痛かったのですが、
歩き疲れるうちに忘れていきました(笑)


本当に一人でなくて良かった...
この旅で最も心に残っている出来事の一つです。

水大師です。
ここでもう一度患部を洗いました。
飲み水としては衛生的、量的にあてにできないです。
水分はしっかり持参しましょう。
私は前日に2ℓのスポドリを用意しておきました。
夏場だと1ℓでは足りないと思います。

長戸庵。
ベンチとトイレがありますが水道はありません。
トイレも一応女性専用(しかもかなり汚い)です。

道標がたくさん立っているので
山道でも迷うことはありませんが

数か所だけ分かりにくい箇所があります。
早朝や夕方以降に山の中に入ることが無いように
気を付けましょう。


このあたりで「旅館吉野」で同泊していた
歩き遍路の方に追いつかれ、

以後の道のりをご一緒しました。
70歳を超えていますが山登りをされるそうで
山道には慣れているそう。

その方から虫刺され用の救急用具を使わせていただき、
少し患部の痛みが治まりました。

3人いれば文殊の知恵。
しかもお二人とも私の2倍以上のご年齢です。
心強い!

柳水庵です。
こちらではそれなりにしっかりと水が流れています。
飲むかどうかは...その人次第ですが

柳水庵を出ると一瞬だけ舗装道に入ります。
人の営みが見えて少し安心。
「へんろ転がし」は本当に山の中しか歩かないのです。

山道で突如現れるのが左右内の一本杉。
空海様が植えたとも言われるそうです。
お堂もありますが、水道やトイレはありません。
お遍路さんと一本杉、空海像...絵になりますね

1つ目の山を抜けると人里が!
徳島県らしく辺りには柑橘類がたくさん。
素晴らしい景色ですね。
ただし人里とはいえ自販機などは一切ありません。
このあたりまで来ると「へんろ転がし」もあと少し!

遂に「へんろ転がし」最終盤!
しかしここからの上りがきついのです...
休憩を挟みつつですがここまで山道を歩くこと6時間。
1つ山を下った達成感の後にやってくる最後の難所です。

出発から7時間、ようやくお寺の気配が!
車でのお遍路さんがスタスタと歩く中、
ヘトヘトになりながら本堂を目指します。

人家の立ち並ぶ山の麓を出発し、
いつの間にか高く深い山の中に
辿り着いていました。
歩ききった人も凄いけれど、
こんなところにお寺があるのも凄いです...(笑)


「へんろ転がし」、
難所ではありますが一つだけ嬉しいことが。

それは、ほとんど日当たりがないということです。
山の中なので日光が遮られ、
夏場でも体感温度は少し低く感じられます。

とはいっても、という面はありますけどね...

12番焼山寺着!
立派な大木が並ぶ広々とした境内です。
なぜかブランコもあります。
納経所の方に聞いても「理由は分からない」とのこと。
ここの納経所は結構塩対応です(笑)

さあ、
今宵の宿まで1時間ほど山を下らなければいけません。

当時はそんなにこととは思っておらず面喰いました。
そして、
舗装された下り道が最も足に負担をもたらすことを

この時初めて体感したのです。

ひたすら坂道を下り
杖杉庵の立派な杉の横を通り、
猫ちゃんがたむろする

住宅街に来れば宿はすぐそこです。

ここで今日の道程を共にしたお一人とはお別れ。
難所を共にしただけあって別れは寂しいですが
お互いの健闘をたたえあいお見送りしたのでした。
70歳過ぎてあの道を歩けるのは本当にすごいです。
私はそんなおじいさんになれるだろうか...

もう一方は宿を決めていなかったそうなので
私と同宿を紹介し、
明日からもご一緒することになりました。

カエルの出迎えを受け、本日の宿
「農園ゲストハウス もりあんloft」さんに到着!

ゲストハウスらしいなごやかな雰囲気の流れるお宿。
今日の宿泊は私とお連れの方の2人だけ。

普段は外国人のお遍路さんもいるようですが
コロナ禍もあり、
今回の旅路で外国人のお遍路さんと会うことは

遂に一度もありませんでした。

すだち尽くしの夕食。
例によって昼食を食べていない体が歓声をあげます!

今日この宿までは1日目に宿泊した
「門前一番通り」さんの
オーナーに
全てをお任せし予約してもらった宿でした。

よって明日からは自分で宿を探すことになります。

お遍路中、宿の夕食をいただくのもこれが最後。
これまでは成り行きもあって
2食付きプランで宿に泊まってきましたが

明日からは経費削減のため素泊まりが続きます。
宿を上手く探せるかな...?

そしてもう一つの懸念点が浮上。
台風が近づいているというのです。

明日以降、また山越えをするルートがあります。
雨の中はもちろん危険だし、台風が過ぎ去った後も
山中の道の乾きは極めて悪いでしょう。

足止めを食って経費を増やすわけにもいかない、
連れの方は今日の道中で足が限界という事もあって明日からは
公共交通機関を使うことになるのでした。


お遍路豆知識・お宿の探し方
ここまで記事をご覧くださりありがとうございます!
さて明日からはいよいよその日に泊まる宿を
自分で決めていくことになります。

お遍路にあたり宿探しが不安な方も多いはず。

そこで今回は参考までに私の利用した方法をご紹介します。
まず私の大前提として「お金をあまり使いたくない」
という条件があります。
その中で大変助かったのがこのサイト。

henrohouse.jp

「宿泊費を抑えたい」となればゲストハウス。
このサイトではゲストハウス式の格安お宿が一覧となっているのです!
しかもどこもお遍路さんに理解が深いお宿。
素泊まりプランなのに朝食をお接待いただくことも。
私も大変お世話になりました。

欠点としては
1.ゲストハウスゆえに絶対数が少ない

2.宿泊可能人数も少ない
3.周囲に店がない場合も

私の場合コロナ禍という事もあって前日予約で問題なく
泊まることができましたが、繁忙期などは
どのような状況になるのかは要確認です。

もう一つの欠点は、
お宿によっては
付近に全くコンビニ、お店がないこともあり、

その際はあらかじめ道中で飲食物を買い、
宿まで持っていく必要があります。

しかしその点だけ考慮すれば、
貧乏お遍路さんにはこの上なく

ありがたいお宿です!
テント背負って野宿する気力と知識があれば良いですが
それも簡単ではありません。

ちなみに私は2回ほどどうしても宿が見つからず
野宿しました(笑)

最悪な思い出しかないのですが、詳細はまたいずれ。

もしお遍路中、お金に余裕がある方ならば
宿に困ることはないと思います。
お遍路御用達の地図

www.iyohenro.jp

にも宿情報はたくさんありますし、ネットもあれば十分すぎです。

それではまた次の記事でお会いしましょう。